〜6月 アラダスちゃん、すごい噂を耳にする〜
「仲間と力を合わせれば、なんでもできる」
5月、大切な存在（仲間）を知ったアラダスちゃん。
アラダスちゃんは、森で作った大きなテーブルを
工房へ運びます。
「よいしょ、よいしょ！」
大きなテーブルはなかなか動きません・・・。
だんだんと太陽が西の空に沈んでいきます。
力いっぱい、めいっぱい、前へ押したその時です！
コロコロ、コロンッと大きなテーブルが勢いよく転がり始めました。
気がつくと、あたりは真っ暗。
少し不安になったアラダスちゃん…。
そのとき、うさぎと力を合わせてピカピカに磨いたテーブルが、
月明かりを受け、夜道を明るく照らし始めました。
この光を頼りに、アラダスちゃんは無事工房に帰ることができました。
「ふぅ〜これで新装開店できる！」
ひと段落するアラダスちゃんでした。
月日は経ち、新しく芽吹いた若葉を濡らすように、
梅雨の季節が始まりました。
森の中で一生懸命仕上げた大きなテーブルは、
工房で作ったお皿、コップ、スプーンをテーブルいっぱいに並べても
綺麗に見やすく置くことができました。
「よしっ！これでじっくりと、
たくさんの作品を見てもらえる。」
心の中で、森のうさぎに感謝をするアラダスちゃん。
庭一面に咲く紫陽花が街のみんなに見えるよう、
窓のそばに大きなテーブルを置きました。
外はあいにくの空模様で、街のみんなはまだ来てくれません。
「そうだ！てるてる坊主を作ろう！」
街のみんなが工房に来てくれるのを願って、窓にてるてる坊主を飾りました。
しばらくすると、てるてる坊主が効いたのか、
雨がやんで窓ガラスについた雨の雫が輝き出しました。
「こんにちは！」
「いらっしゃいませ！」
工房の新装開店を聞きつけた街のみんなが、お店に来てくれました。
大きなテーブルに置かれた作品は、手に取りやすく見やすいので、
お皿、コップ、スプーンはどんどんと売れていきます。
そんな中、いつも来てくれるお客さんがアラダスちゃんに
声をかけました。
「お魚をたくさん盛れる大皿はありますか？お魚が大漁に釣れて〜」
お魚が大好きなアラダスちゃんは、とてもとても気になります。
お客さんから詳しく事情を聞いてみると、
不思議なことに、近所の海でお魚が大漁に釣れるらしいのです。
アラダスちゃんは、驚きとともに
ある考えが頭に浮かびました・・・。
また空模様が変わり、雨が降り始めました。
「梅雨が明けたら近所の海に行って、お魚が大漁に釣れる不思議を調べてみよう！」と
心に決め、釣り竿を探すアラダスちゃんなのでした・・・。
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